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Duet AIが予感させる新たな働き方

カテゴリー:最新情報 / 2023年10月17日:投稿

Duet AI for Google Workspace(英語版)登場
GoogleはBard AIに続く新たな生成AIとして、Duet AI for Google Workspace(英語版)をリリースしました。これはGoogle Workspaceの各アプリに組み込まれた一連の生成AI機能の総称であり、複数の生成AI機能を統合した「複合型ビジネスAIスイート」とも言える機能です。「しらべる、わかる、やってみる」がワークスタイルのモットーである弊社としても、この大幅な機能向上を検証すべく早速試用を開始しました。今回まずはオーバービューとして、このDuet AIについてご紹介いたします。

Bard AIとDuet AIの違い
汎用的な「言語」モデルであるBard AIと異なり、Duet AI for Google WorkspaceはGoogle Workspace アプリとの連携に特化した「複合」モデルと位置付けられます。
例えば2023年10月12日現在、Bardへのメッセージの入力方法としてはテキストの他に音声や画像も可能になっています。しかしここでの音声や画像は、あくまでテキスト入力の補助機能であり、例えば「2018年度グッドデザイン賞を受賞した東京都港区芝公園にある総合電波塔で、日本電波塔や東京のシンボルとも呼ばれる1958年12月23日竣工の観光名所である東京タワー。」と入力する代わりに「東京タワーの画像」をアップロードする感覚です。もちろん回答はテキスト生成に限られます。
一方Duetは、Google Workspaceの各コアアプリごとに最適化され、スライドやミートでは画像生成が可能になるなど、「言語」生成に限られるBard AIより機能が拡張された「複合モデル」という点が大きな違いになっています。

Duet AI for Google Workspaceの機能
具体的に機能を見ていきましょう。Duetは言語生成においては、各種書類のドラフト(下書き)作成に威力を発揮します。Gメール、ドキュメントで、作成したい書類の要点のメッセージを入力するだけで下書きを生成します。あとは内容にフォーカスして必要に応じてブランク部分を埋める、不要部分を消すなど編集することで、書類作成時間の短縮を実現します。
スプレッドシートにおいても同様で、作成したい表計算についてのメッセージを入力することでドラフトを生成します。こちらもドラフトを編集することで、書類作成時間を短縮します。テーブル生成だけでなく、データを自動で分類する、グラフ化するなどもメッセージベースで可能になります。
また、Meetにおいてはほぼリアルタイムの各国語への翻訳機能や文字起こし機能などを実装。これらの機能の対応言語はまだ限られており、各国語への対応が進められている状況ですが、言語の多様性を保ったまま双方向のコミュニケーションを実現する機能として大いに注目すべきものと思います。

画像生成では、スライドにおいて挿入用画像の生成が可能になりました。こちらはまだまだ発展途上の印象ですが、例えば「青い空、白い雲」「雄大な山脈と湖」などのような自然の風景や、「赤い靴」や「緑の花瓶」などのような単純な人工物は上々の出力が得られ、版権を気にしながら画像を探す時間が大幅に短縮できる印象です。またミートにおいては、背景画像の生成が可能になり、前述の翻訳機能の実装とともに一層コミュニケーションの質を高めてくれることでしょう。

Duet実装後の働き方
ご存知のようにGoogleは、これまでもAIを積極的に活用してきた企業です。ただしその手法はさりげなく選択肢を提示するような、どこか奥ゆかしい「AIの存在を意識させない」ものが多かったと思います。しかし今回のDuet実装では、GoogleはDuetを積極的にユーザーの求めるものを聞いて、やり遂げる存在へと明確に舵を切ってきました。これはAIがいよいよ働き方の変革ツールとして、企業活動の隅々で活用される時代の幕開けと言えるのではないでしょうか。

Duetは、いわばリモートで常駐している専属の部下のような存在であり、目的のアウトプットに向けてDuetに相談し、命じ、上がってくる生成結果を判断し、修正し、最短距離での完遂を目指すことが日常化します。もっと単純に言えば「これやっといて」が、職位に関係なく、遠慮なく言える世界線です。それによって、膨大なデータセットに蓄えられたビジネスの「集合知」を、誰でも簡単に活用できるようになります。そしてその働き方で求められるのは、判断や洞察、連想など、人間の本質的な能力、創造的な能力であり、AIの活用はその創造的な活動のための時間を作り出してくれます。

今の時代、見積書の加減乗除を筆算で行なっている人はおそらく1人もいないでしょう。古くは電卓が、あるいは表計算が筆算を駆逐しました。同様にこれからは尋ねれば応えてくれるAIと仲良く仕事をする人こそが、より良い成果を出せる時代になるのではないかと予想しています。日本語版のリリースが待ち遠しいですね。

※本稿は「Google アカウント/個人情報/Google サービスに関するその他の情報と設定/Web の一般的な設定/言語/優先言語」において英語を設定した環境下で、2023年10月16日時点での情報及びそれぞれのAIの生成情報(Bard:2023年10月16日時点稼働版/Duet:英語版2023年10月16日時点稼働版)を元に、本稿担当個人の感想を記事化しました。技術的な正確性は保証いたしかねますので、予めご了承ください。

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